「Ryzen 9」と「Core i9」のスペックや価格をまとめて比較

2017年の夏は…。久しく見ていなかった大真面目な「Intel VS AMD」の戦いが始まる。まだ不確定情報が多いIntelからは「Core i9」が、ある程度情報が決まってきているAMDからは「Ryzen 9」が投入される。両者のラインナップについて、簡単にまとめておく。

 更新

2017年7月、ついにSkylake-Xの一部が発売されたのでそれに合わせて記事を刷新しました。

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「Core i9」VS「Ryzen 9」

Intelはもともと「一般向けのCore i7は4コア8スレッドで十分」と、うつつを抜かしていたし、2017年もゆるりと殿様商法を継続するつもりでした。しかし、2017年になってAMDがZenアーキテクチャによって作られた「Ryzen 5 / 7」を投入。

事前の謳い文句どおり、既存のCore プロセッサに対して圧倒的なコストパフォーマンスを見せつけた。同じ価格ならIntel CPUはAMD CPUに歯が立たない状況です。

Intelは予定を変更せざるを得なくなった。AMDが大真面目にIntelと戦える製品を市場に投入したことで、Intel側も現状の殿様前提ラインナップでは戦えないという判断です。

そこでIntelは現在出回っているRyzenを上回る性能を持った、Skylake-Xアーキテクチャによって作られる「Core i9」(仮称)を投入する予定とされている。

その後、すかさずAMDが投資家向けイベントで、それらCore i9を駆逐するプロセッサが既に用意できており、少なくとも2017年夏には投入できると発表。

2017年の夏は予定通りにIntelとAMDが製品を投入すれば、熾烈な戦いが展開されるだろう。特にハイエンドとミドルレンジ市場は大激戦になると思う。

Intel「Core i9」のラインナップ / 仕様

世代Skylake-X
CPU名i7 7800Xi7 7820Xi9 7900Xi9 7920Xi9 7940Xi9 7960Xi9 7980XE
コア数681012141618
スレッド数12162024283236
ベースクロック3.5 Ghz3.6 Ghz3.3 Ghz
ブーストクロック24.0 Ghz4.3 Ghz4.3 Ghz
ブーストクロック3未実装4.5 Ghz4.5 Ghz
L2 Cache6 MB8 MB10 MB12 MB
L3 Cache8.25 MB11 MB13.75 MB16.5 MB
PCIeレーン数2844
対応メモリx4 DDR4-2400x4 DDR4-2666
対応ソケットLGA 2066
TDP140 W140 W140 W165 W
希望小売価格$ 389$ 599$ 999$ 1199$ 1399$ 1699$ 1999

現状のKabylake世代(Core i7 – 7XXXなど)と比較して、コア数とスレッド数が大幅に増え、クロック周波数も相当に改善されていることが分かる。

Intel CPU(特にSkylake世代以降)はシングルスレッド性能も高い傾向にあるため、このスペック表を見る限りは十分に「Ryzen 5 / 7」に対抗しうるプロセッサでしょう。性能だけなら…という条件付きですが。

問題はIntelが発表している希望小売価格です。8コア16スレッドの「i7 7820X」は599ドルと設定されている。日本円では70000円前後になるため「Ryzen 7 1700」の2倍の価格ということに。

もちろん、2倍の価格だからと言って性能も2倍というわけではない。

この記事にあるとおり、Cinebench R15のスコアは30%程度の違いに収まっています。相手を「Ryzen 7 1800X」にすれば、スコア差はわずか8%程度しかない。価格に見合った性能か、と言われる「微妙」と言わざるをえない。

Skylake-X世代のCPUはもうひとつ課題を抱える。それは対応ソケットが「LGA 2066」と大型化しており、チップセットもX299とハイエンド仕様です。このため、対応しているマザボが高いのも問題。

最安価モデルで250ドル(約3万円)で、コテコテのすごいモデルで500ドル(約6万円)もする。対するRyzen 7はAM4ソケットだから1~1.5万円くらいのマザボで問題なく動かせる。

AMD「Ryzen 9」のラインナップ / 仕様

世代Zen
CPU名Ryzen Threadripper
19001900X19201920X1930X19401940X19501950X
コア数101012121214141616
スレッド数202024242428283232
ベースクロック3.1 Ghz3.6 Ghz3.0 Ghz3.2 Ghz3.6 Ghz3.2 Ghz3.5 Ghz3.2 Ghz3.4 Ghz
ブーストクロック23.7 Ghz3.9 Ghz3.7 Ghz3.7 Ghz4.0 Ghz3.7 Ghz3.9 Ghz3.6 Ghz3.8Ghz
ブーストクロック3未実装4.0 Ghz未実装3.8 Ghz4.1 Ghz未実装4.0 Ghz未実装3.9 Ghz
L2 Cache5 MB?6 MB?7 MB?8 MB?
L3 Cache20 MB24 MB28 MB32 MB
PCIeレーン数44
対応メモリx4 DDR4-3200
対応ソケットAMD TR4
TDP125 W150 W
希望小売価格$ 849?
参照元:TechPowerUP / Wccftech

以前は「Ryzen 9」と呼ばれていましたが、2017年5月にAMDが正式に「Threadripper」というブランド名で発表。その後、7月になって製品のラインナップも少しずつ分かってきたので表を更新しました。

見ての通り、Intelが後手に回っている印象が拭えない、すさまじいラインナップです。もちろん、7月時点では不確定な部分も多く、これで確定というわけではないが、この通りならかなりの競争力です。

Skylake-Xの最上位モデル(Extreme Edition = XE)は、脅威の18コア搭載CPUだが価格は1999ドルでしたね。ここでRyzen Tの最上位「1950X」を見てみる。コア数は16個と負けているものの、価格は849ドルと言われている。

つまりほぼ半額だ。既に発売されている「Core i9 7900X」は約12万円と高価ですが、Ryzen Tの最下位モデル「1900」や「1900X」は十分にその半額で出してくる可能性が高い。

今のところリークされている情報では、同じコア数で勝負した場合どうしても性能ではCore i9に負けてしまうため、Ryzen Tは「価格」で勝負することになる。

  • Core i9 7900X:2150点(約12万円)
  • Ryzen T 1900X:1800点(約6~7万円)

例えばCinebench R15のスコアがこのようになったとしよう。同じ価格なら「Core i9」を取るが、Ryzen Tが半額相当なら「Ryzen T」が売れてしまうだろう…という具合の戦いだ。

なお、Ryzen Threadripperの対応ソケットはAM4(1331pin)ではなく、TR4(4094pin)になる予定。ソケットのピン数は約3倍になったため、マザボの高価格化はSkylake-Xと同様に避けられない。

対応チップセットはX370より更に高ランクのX399。「コスパ最強のRyzen Threadripper」を実現できればインテルは更にシェアを失うことになるだろう…。

まとめ & 現時点の評価

2017年7月時点、日本で発売され始めたSkylake-X世代は、あまりコスパが良いとは言えない状況。8コアの「i7 7820X」は約75000円であり、「Ryzen 7 1700」の37000円より2倍も割高。

しかも、「7820X」はグリスバーガー状態※で発熱がひどく、ブーストクロック時にTDPが公称値を突破してしまう。発熱がひどいということは、オーバークロックの伸びしろにも悪影響。

※ダイとヒートスプレッダの間に「グリス」を使うこと。ちなみにRyzenはグリス漬けではなく、ちゃんとソルダリング(はんだ付け)が採用されている。

「Ryzen 7 1700」はOCすることで上位の「1800X」に匹敵する性能にグレードアップできる強みがあり、さらにコスパ神なわけだが、Skylake-Xにはそういった要素はあまり期待できない…。

あとはRyzen Threadripperが予定通り、16コアを800ドル台で出してくれれば概ねAMDの勝利になるかと。最後に両者の強みと弱みを簡単にまとめて終わります。

Skylake-X「Core i9」

  • 圧倒的なシングルスレッド性能
  • 最適化された環境が多いのでゲーミング性能も高い
  • 一般向けCPUで唯一の「AVX-512」対応

やはりコア当たりの性能は高いんですよ。AVX-512をサポートしている点も、人によっては需要があるかも?

  • 「Ryzen」と比較して1コアあたり2倍の価格
  • グリスバーガーによる発熱 & 高い消費電力
  • 対応マザーボードがそれなりにお高い

問題は「価格」。最安モデル(6コア)で、7.5~8.5万円は覚悟しなければ…。逆にRyzenなら同じ6コア環境を3.7~4.6万円で用意できる。Skylake-Xはコスパが悪いんですよね、純粋に。

Zen「Ryzen Threadripper」

  • 「Skylake-X」と比較して1コアあたり半額の価格
  • まだまだ最適化不足なので、今後の伸びしろが大きい
  • 基本、ソルダリングなのでSkylake-Xのようにマゾい発熱リスクは低い

個人的に「安い」という点も重要だが、まだまだソフトウェア側の最適化が乏しい。という点も見逃せない。BIOSが更新されるたびにCinebenchのスコアが伸びたんですよ、Ryzenって。

つまり今後、最適化が進むことで更にパフォーマンスが引き出される可能性がある。逆にSkykale-Xは原型が2年前のアーキテクチャですから、もう伸びしろはありません。今の性能が「実力」です。

  • シングルスレッド性能は劣る
  • 同じコア数で勝負するとSkylake-Xに負ける
  • やっぱりゲーミング性能が振るわない

コスパ抜群だけど、同じコア数で比較されると9割はインテルに負けてしまいます。ここが気になる人は多そうだ…。「安いけど性能悪いな。」と受け取られるリスクがある。

まぁ、Skylake-XとRyzenを比較する場合、性能の伸び幅と価格の伸び幅を比較するのが大事。たとえば「30%の性能アップのため倍額を出せるのか?」といった具合だ。

Ryzenは事前情報通り、16コアを849ドルで出せばほぼ勝ち確定だと思ってます。相手の16コアは1699ドルですから。

 Ryzenが安い理由

IntelはもともとXeon向けに「取っておいた貴重なダイ」を、AMDに対抗するべく仕方なく「Core i9にお下がりさせた」という状況です。

対するAMD Ryzenは、たった1種類のダイによって構成されている。8コアの「Summit Ridge」というダイを組み合わせるだけで簡単にXeonクラスのCPUを作れるんですよ。

製造工程で不良が生じた場合は、不良部分を完全に無効化し、コア数を落とした下位バージョンとして発売ができる。非常に低いコストで作れるように設計されているから、RyzenはIntelの半額で同じコア数のCPUを提供可能なんだ。

以上、「Ryzen 9」と「Core i9」のスペック、仕様をまとめて比較してみる…でした。

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